青年座について(日本語)

ご挨拶

 青年座は2025年4月1日、青年座映画放送株式会社と共に、55年間住み慣れた本拠地を渋谷区富ヶ谷より豊島区西池袋に移転いたします。

 新住所は〒171-0021 東京都豊島区西池袋3丁目5番19号。

 地下1階付、4階建の建物です。この建物は1948年に野尻与顕氏により創立された舞台芸術学院のもので、75年の長きに渡り俳優教育を行ない多くの演劇人を輩輩出してきました。しかし新型コロナウイルス流行により入学者数が大きく減少し、2026年3月をもって閉校されることになりました。同じ演劇に関わるものとして心悼むものではありますが、この度その建物を縁あって青年座が新たな本拠地として使用することとなりました。

 2025年4月には1学年の卒業にともない事務所スペースのみ移転、2026年4月に完全移転となります。

 この10年、皆様方には多大なご心配をおかけいたしましたが、西池袋の地で気持ちも新たに引き続き演劇活動を続けてまいります。

 2024年は劇団青年座創立70周年にあたり、5月『ケエツブロウよ―伊藤野枝ただいま帰省中』、8月「伝承~朗読劇二題」津嘉山正種ひとり語り『命口説』、『RAA―進駐軍特殊慰安所―』、9月『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』、12月『穏やかな人と機』と記念公演を続けてまいりましたが、2025年3月、根本宗子作演出『Lovely wife』を持ちまして最後を締めくくることとなりました。

 演劇を通して世界の平和を願い、社会の不公平を明らかにし、人間の尊厳を守る。これらを社会に訴えることが劇団活動の基本理念とし、71年目も活動を続けてまいります。本年もよろしくお願い申し上げます。

青年座の活動

劇団青年座は「創作劇の上演」を趣意書に謳い、1954年5月1日森塚敏、東恵美子、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、関弘子、ら十人の俳優によって結成いたしました。同年12月17日俳優座劇場で椎名麟三作『第三の証言』をもって第一回公演をおこない、以後、矢代静一(『写楽考』他)、八木柊一郎(『国境のある家』他)、宮本研(『からゆきさん』他)、水上勉(『ブンナよ、木からおりてこい』他)ら多くの劇作家と共に数々の創作劇を上演、今年で創立70年目を迎えることになりました。
 

最近では2020年岩瀬晶子『シェアの法則』、2021年野木萌葱『ズベズダ-荒野より宙へ-』、シライケイタ『ある王妃の死』、マキノノゾミ『横濱短篇ホテル』、2022年中島淳彦『夫婦レコード』、ピンク地底人3号『燐光のイルカたち』、土田英生『時をちぎれ』、2023年古川健『同盟通信』、竹田モモコ『ぼっちりばぁの世界』と現代演劇を代表する劇作家の新作を次々と上演いたしています。
 

また『明日-一九四五年八月八日・長崎』(井上光晴原作、小松幹生脚色)、2020年『ブルーストッキングの女たち』(宮本研作)、2023年『金閣炎上』(水上勉作)など過去作品の上演、2019年『SWEATスウェット』(リン・ノッテージ作)、2021年『アルビオン-白亜の地イングランド』(マイク・バートレット作)、2023年『黄色い封筒』(イ・ヤング作)など海外現代戯曲の上演など幅広い活動で高い評価をいただいています。
 

東京での本公演の他、全国の市民劇場・演劇鑑賞会でのロングラン公演、新劇交流プロジェクト公演(『その人を知らず』、『美しきものの伝説』)など劇団の枠を超えた交流など多彩な演劇活動を展開しています。
 

一方、現代演劇の未来を担う俳優・スタッフの養成を目的とし、1975年より青年座研究所(2年制)をスタートさせ多くの人材を輩出してきました。
 

さらに青年座映画放送株式会社を通し、所属俳優・スタッフの舞台・テレビ・ラジオ・映画出演のマネージメントを行い、日本の現代演劇・エンターテイメントの発展に大きく貢献しています。

受賞

1968年第23回芸術祭奨励賞(『禿の女歌手』の成果に対して)
1968年第3回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1971年第6回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1973年第28回芸術祭優秀賞(『三文オペラ』の成果に対して)
1979年東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1979年厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1980年第34回芸術祭優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1981年第35回芸術祭大賞(「五人の作家による連続公演の企画・制作」)
1985年東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1987年第42回芸術祭芸術祭賞(『国境のある家」の成果に対して)
1990年平成元年度芸術祭芸術祭賞(『盟三五大切」の成果に対して)
1997年第31回紀伊國屋演劇賞団体賞
(『三文オペラ』『審判』『ベクター』などの舞台成果に対して)
1998年第5回読売演劇賞優秀作品賞(『フユヒコ』の舞台成果に対して)
1998年第52回芸術祭大賞(『見よ、飛行機の高く飛べるを』の成果に対して)

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