ウィッグ 劇団青年座とは

ごあいさつ


2011年3月11日に起こった東日本大震災とそれに伴って発生した大津波、さらに東京電力福島第一原子力発電所の大事故によって東北地方を中心に日本はとてつもない打撃を被った。あの日から10ヶ月が経とうとしているが未だ厳しい状況の中で多くの方がご苦労されている。心よりのお見舞いと1日も早い復興を願うとともに、犠牲になられた人々のご冥福をお祈りしたい。
青年座の3月11日は三、四月かわさき、横須賀おやこ劇場、そして全国演鑑連東北ブロックに『赤シャツ』を持って旅立つための舞台稽古のその日だった。協議の上、すべての公演は中止。しかし2012年11、12月、全国演鑑連首都圏ブロックと共に上演が実現することになった。嬉しいことだ。出会いの日が待ち遠しい。かくて2011年は混乱の中で劇団活動は続けられた。余震の不安の中だが、鈴木聡新作『をんな善哉』は連日満員、大阪での自主公演も盛況の内に終わった。同時期、『黄昏』は全国演鑑連静岡県ブロックに。計画停電も無事掻い潜り、会員の皆さんからあたたかい拍手を頂いた。6月上旬には急遽「3 Weeks charity」という復興チャリティ企画を立ち上げた。若手俳優が中心となった。秋には青年座・セレクション、宮本研作『ほととぎす・ほととぎす』、スタジオ公演『ムエン一族』、ふたくちつよし新作『切り子たちの秋』が続いた。全て青年座劇場での上演。1月の育成公演『クラウド9』も同劇場で行われた。11、12月には鈴木聡作『妻と社長と九ちゃん』が全国演鑑連中部・北陸ブロックへ旅立った。そして12月は青年座交流プロジェクト『欲望という名の電車』が文学座・鵜山仁氏の演出で実現した。大変な年だったが、無事2011年の活動を終えることができた。
2012年は4月、青年座・セレクション『国境のある家』で始まる。1987年初演の舞台を支えた森塚敏、東恵美子、大塚國夫はいないが演出の黒岩亮を中心に新たな舞台をつくり上げる。6月、海外現代戯曲『THAT FACE〜その顔』。作者ポリー・ステナム19歳の時の話題作。演出は伊藤大。創作劇の青年座の新たな試み。8月は新国立劇場小劇場に青年座の財産『ブンナよ、木からおりてこい』が登場。演出は磯村純。10月は『夫婦レコード』『あおげばとうとし』の作者・中島淳彦氏の新作『タカラレ六郎の仇討ち(仮題)』。演出は黒岩亮。中島氏らしい笑いと涙の舞台になる。そして11、12月、『赤シャツ』と共に『ブンナよ、木からおりてこい』が早々と九演連に迎えて頂く。演劇には人を元気づける力がある。私たちも演劇によって励まされた。その力を信じ、多くの人との出会いをつくって行きたい。本年もよろしくお願いいたします。

森正敏(2012.1.1)


青年座の活動


劇団青年座は「創作劇の上演」を趣意書に謳い、1954年5月1日森塚敏、東恵美子、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、関弘子、ら十人の俳優によって結成いたしました。同年12月17日俳優座劇場で椎名麟三作『第三の証言』をもって第一回公演をおこない、以後、矢代静一(『写楽考』他)、宮本研(『からゆきさん』他)、八木柊一郎(『国境のある家』他)、水上勉(『ブンナよ、木からおりてこい』他)ら多くの劇作家と共に数々の名舞台を上演。1994年の創立四拾周年以降はマキノノゾミ(『MOTHER』『フユヒコ』『赤シャツ』)、永井愛(『見よ、飛行機の高く飛べるを』『パートタイマー・秋子』)、ふたくちつよし(『お茶をすすって』『こんにゃくの花』『切り子たちの秋』)、中島淳彦(『夫婦レコード』『あおげばとうとし』)、鈴木聡(『妻と社長と九ちゃん』『をんな善哉』)、土田英生(『悔しい女』『その受話器はロバの耳』)、齊藤雅文(『千里眼の女』)、太田善也(『つちのこ』)ら現代演劇を代表する劇作家の新作を次々と上演し、高い評価を受けております。
新作上演と並行して、2009年より青年座の創作劇の礎をともに築いた劇作家六氏の作品の中から秀作を厳選して連続上演する「青年座・セレクション」をはじめました。昨年はこうした劇団活動を基本に、創造活動の活性化を求め「青年座交流プロジェクト」を立ち上げ、今年からは海外の現代戯曲も取り上げてまいります。
また、東京での本公演の他に、全国で民主的に会員制で運営されている市民劇場・演劇鑑賞会でのロングラン公演、劇団員の自主企画によるスタジオ公演、特別公演、ワークショップなど多彩な演劇活動を展開しています。
一方、現代演劇の未来を担う俳優・スタッフの養成を目的とし、1975年より青年座研究所(2年制)をスタートさせて多くの人材を輩出てきました。2012年も本科・実習科で約80名の研究生が学びます。
さらに演劇公演・俳優養成事業とともに青年座映画放送株式会社では、所属俳優・スタッフの舞台・テレビ・ラジオ・映画出演、演出のマネージメントを行い、日本の現代演劇・エンターテイメントの発展に大きく貢献しています。

受賞

1968年
第23回芸術祭奨励賞(『禿の女歌手』の成果に対して)
1968年
第3回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1971年
第6回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1973年
第28回芸術祭優秀賞(『三文オペラ』の成果に対して)
1979年
東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1979年
厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1980年
第34回芸術祭優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1981年
第35回芸術祭大賞(「五人の作家による連続公演の企画・制作」)
1985年
東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1987年
第42回芸術祭芸術祭賞(『国境のある家」の成果に対して)
1990年
平成元年度芸術祭芸術祭賞(『盟三五大切」の成果に対して)
1997年
第31回紀伊國屋演劇賞団体賞
(『三文オペラ』『審判』『ベクター』などの舞台成果に対して)
1998年
第5回読売演劇賞優秀作品賞(『フユヒコ』の舞台成果に対して)
1998年
第52回芸術祭大賞(『見よ、飛行機の高く飛べるを』の成果に対して)